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プレシャス・ウォッチ

アール・デコ 第2期

1895年から現代まで

1930

「カデナ」サファイヤのデザイン画 1935年頃

1925年以降から1930年代にかけては、アール・デコの第2期です。この時期のジュエリーは白色系の宝石を基調とした幾何学的なデザインが特徴で、装飾の模様や宝石のカットにそれが見て取れます。この時期になるとバゲット型の時計は徐々にレクタンギュラー型へと移行していきます。また時計をハンドバックの留め具に仕込んだものや、車のラジエーターグリルを真似たシャッター付きのブローチ時計など、より巧妙なものが誕生しました。1933年、ヴァン クリーフ&アーペルは「貴石のセッティング」に関して特許を申請しました。そして1936年に「ミステリー・セッティング」と呼ばれる技法の特許を取得し、この技法を用いて文字盤、ラグ、ブレスレット、クラスプを宝石で埋め尽くした時計を製作しています。

1936年、ヴェルジェ兄弟はヴァン クリーフ&アーペルの有名なゴールドの時計「カデナ」をデザインしました。その装飾にはダイヤモンド、サファイヤ、ルビーなどが用いられています。「カデナ」コレクションは1960年代初めまで続き、その後90年代になって復活しました。カルティエ、ジャガー・ルクルト、モーブッサンもヴェルジェ兄弟による似たようなモデルを製作しています。この頃には文字盤を覆うカバーが付いた時計の様に、外装が変形する時計が再び見られるようになります。中にはブレスレットから取り外して、ブローチやスカーフのピンとして使える時計も登場しました。1937年にパリで行なわれた万国博覧会では、次の1940年代を制するトレンドの萌芽が見られました。イエローゴールド、そしてファンシーな、または非対称なデザインの復活です。

1940年代は第2次世界大戦、そして1929年に起きたウォール街大暴落の影響が色濃く残っていた時代です。この時期の特徴は曲線的なフォルムの復活と、そして何よりも作品が大型化した事で時計やジュエリーはより立体的になり、そのため宝石を使わない作品も登場しました。宝石に代わってアクアマリン、トパーズ、アメジスト、または人工の石も使われる様になります。またこの頃にはボアヴァン、ブシュロン、カルティエ、ショーメ、モーブッサン、メルリオ、ヴァン クリーフ&アーペルらパリのジュエラー達は、国際的規模でトレンドを作り出す様になります。彼らはシリンダー型の時計、指輪やクリップなどに組み込んだ時計を製作しましたが、それらは大西洋の反対側アメリカで模倣されていました。

オーギュスト・ヴヌイユ教授が人工宝石を製造する方法を発明しました。この製法は今日も使われています。この発明により、20世紀初頭からまず合成ルビーが、ついで合成サファイアが製造できるようになりました。その結果、それまでとは比べようのないほどの低コストで、金の指輪に大きな宝石や、多量の宝石をセッティングすることができるようになったのです。

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