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プレシャス・ウォッチ

美と機能の融合

1895年から現代まで

1960

紳士用腕時計 「カリスタ」 1979年 ヴァシュロン・コンスタンタン

1960年代と1970年代は、時計の機能性と共にその美観が重要視された時代でした。この動向はクオリティを犠牲にした一面もありますが、この時期に起きた機械式時計とクォーツ時計の争いがそれに拍車をかけました。しかし高級時計界にはあまり影響がなかったと言えるでしょう。

1956年にピアジェが発表した超薄型時計は、女性にとっても充分に見やすい大きさの文字盤を備えていました。1964年からはケースの厚さわずか2mmの中に、厚さ0.7mmの硬石文字盤を収めたモデルを製作しており、ヒスイ、ラピスラズリマラカイトクォーツタイガーズアイオパールターコイズオニキス、サンゴ、マザーオブパールなど、30種を超える石が使われています。これらの石を使った文字盤は、それが大きければ大きいほど強烈な印象を与えます。また伝統に反してインデックスを無くしてしまっているのもその特徴です。後にはこれらにダイヤモンドを敷き詰めたモデルも製作しており、ピアジェ本来のジュエラーとしての真価を発揮しています。文字盤が大きくなればブレスレットも太くする必要に迫られます。しかしそこは彼らにとって真っ白なキャンバスであり、創作を試みる格好の場だったのです。1970年代の初めにピアジェはこれらの石を文字盤だけでなく全体に用いて、紳士用と婦人用のブレスレット時計を製作しています。そのスタイルはクラシカルでありながらも非常に革新的でした。また首からぶら下げるネックレスに時計を取り付けると言う過去のスタイルを現代に蘇らせ、当時のファッションにもマッチしていました。当時は社会的流動性が高く、人々の嗜好も大きく変化した時代でした。当時のジュエリーウォッチの中には、大胆なスタイルにダイヤモンド、エメラルドルビー、サファイヤを用い、虹の様にカラフルなものが登場しました。モーブッサンはこれら白、緑、赤、青の色を巧みに用いた小型の時計を製作し、後には「アルルカン」コレクションにも同様のスタイルを取り入れています。またショパールは1976年、ダイヤモンドが2枚のサファイヤクリスタルの間で自由に動き回るハッピーダイヤモンドを発表しています。

1970年と1980年には、2つのユニークな作品が登場しました。これらはいずれも個人客からの特注品で、当時世界で最も高額な腕時計でした。 ヴァシュロン・コンスタンタンが製作したこの時計は「カリスタ」と呼ばれ、デザインは1979年にレイモンド・モレッティによるもので、イエローゴールドのケースとブレスレットに130カラットに及ぶ118個のエメラルドカット・ダイヤモンドがセットされています。後にはこれが「カラ」コレクションに発展しました。ピアジェが発表した「ポイボス」は、1個のブルーダイヤモンドを含む296個のダイヤモンドがプラチナにセットされ、87.87カラットあります。

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