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プレシャス・ウォッチ

伝統的な機械式時計の復活

1895年から現代まで

1990

「オーパス4」 ハリー・ウィンストンとクリストフ・クラーレ

西欧諸国は長期間に渡る経済の低迷から抜け出し、アメリカではヨーロッパに対する憧憬が高まっていました。そんな中、急成長を遂げていたヴィンテージ腕時計のマーケットの影響もあって高級腕時計に対するニーズが急速に芽生え、伝統的な機械式ムーブメントの復活が起こったのです。この頃に登場した時計の様々なスタイルには、当時のアートや文化の面における特徴の無さが反映されています。当時はアール・デコやポストモダンに匹敵する様な、時代を代表するイデオロギーや世界的なトレンドといったものが特に無く、過去の作品の模倣やそれを再解釈しただけのものがほとんどだったのです。控えめ気味になったジュエリーウォッチはアール・デコに発想を求め、半貴石を用いたカラフルな作品などが作られました。

1990年代は世界的に経済が変動する中で、安定性が求められました。時計ブランドも例外ではなく、多くのブランドは自身のルーツを見つめ直し、過去の自社モデルに強く影響を受けた時計を製作するようになります。中には全く新しいスタイルも登場しました。ドゥ・グリソゴノは1996年にブラックダイヤモンドを用いた時計を発表しています。それまでは工業用の研磨や切削にしか使われる事のなかったブラックダイヤモンドを宝石としての地位にまで引き上げたこのモデルは、一目で分かる強烈なキャラクターを持っています。その少し前の1991年にハリー・ウィンストンは、ロジウムを素材とした「ガラテア」を1本のみ製作しました。プラチナ族に含まれるロジウムは加工が非常に難しい素材です。その後もハリー・ウィンストンは、伝統的な複雑機構と宝石を組み合わせた大胆なモデルを紳士用、婦人用に製作しています。そして2001年、著名なウォッチメーカーやクリエイター達とのコラボレーションによる「オーパス」の第1弾が発表されます。ダイヤモンドをちりばめたプラチナが特徴だったケースに、レトログラード・セコンド、回転する時間表示、レゾナンス・クロノメーターパーペチュアルカレンダートゥールビヨン、ミニッツリピーター、カセドラル・ゴングなど数々の複雑機構が搭載されました。これらの機構の起源は過去のものですが、現代的なスタイルにアレンジされ、未来を予感させるものとなっています。

 

 

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