宝石の選別とセッティング

Credits: 石のセッティング

高級時計の本質とは、あらゆるディテールに対するこだわりと、その調和および一貫性にあります。

宝石やダイヤモンドを高級時計にセッティングする事は決して仕上がりだけの問題ではなく、その時計の価値をさらに高めるという目的があります。ジュエラーやストーンセッターの頭の中には、最初の段階からハイジュエリーウォッチを構成する全てのディテールが描かれています。

宝石は単なる装飾の道具ではなく、時計を構成する一要素として、機能と同じくらいに重要なその外観を決定づけるものなのです。

まず最初の仕事は宝石を選別する事ですが、これは最大限の厳格さをもって行われます。最高の品質である事はもちろん、小さな時計の表面に並べられるのですからそのサイズ、カット、カラーまで完璧に均一でなければなりません。ほんの少しの不純物や僅かなカラーの違いは一目で分かってしまうもので、それが全体の美を損なってしまいます。

宝石学者とデザイナーは密接に連携しながら作業に当たります。彼らの選別と宝石のカット(ブリリアント、エメラルド、バゲットなど)は、ケースラグ、ブレスレットの形状に大きな影響を与えます。そして図面に従って職人達がケースを加工し、指定された技法によるセッティングの準備が行われます。石を取り付けるための穴がたくさん開けられ、また余分な金属部分をヤスリを使って注意深く取り除きます。最終的な宝石の輝きと透明性は、この準備作業の精度にかかっていると言っても過言ではありません。宝石をセットするケースなどのパーツは続いてポリッシュされ、ヤスリやドリルの加工跡が取り除かれます。これでセッティングの準備が整った事になります。

セッティングには様々な技法がありますが、主なものは以下の通りです。

  • プロング・セッティング 金属の爪(プロングまたはクロー)によって石を固定する技法。
  • グレイン・セッティング 石を入れる穴の周囲を盛り上げて曲げた爪で固定する技法。
  • ベゼル・セッティング 枠の中に石を固定する技法。
  • チャンネル・セッティング 溝を彫ったレールで石を挟んで固定する技法。
  • インヴィシブル・セッティング 石がお互いに支え合っている様に見える技法。

ケース、リュウズ、針、ブリッジ、地板、文字盤など、どこであっても宝石をセットする事は可能で、文字盤の場合には宝石を敷き詰めるパヴェ・セッティングが頻繁に用いられます。

セッティングは全ての工程において失敗が許されません。その結果を左右するのは経験と器用さで、そして才能も必要でしょう。たった1つのミスが致命的となり、素材によっては修復不可能となる事もあります。

この様に宝石のセッティングは精密さが求められるものであり、またその煌めきによって時計をさらに輝かせるアートでもあるのです。

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