エナメルの魅力

Credits: ピアジェ ミス プロトコール

エナメルは古くからジュエリーや金細工と密接な関係にあり、ルネッサンス期には時計の装飾に頻繁に用いられました。


エナメルとは透明なガラスに金属の酸化物を混ぜたもので、これを金属の板に塗って800℃から1200℃で熱すると、エナメルは溶けて金属板に結合します。

エナメルを薄く3層重ねて表面を研磨すると、ピュアで艶のある白色のエナメル文字盤が出来ます。その上に数字などのインデックスをプリントします。

フランケやギョーシェ彫り文字盤では、加工済みの文字盤の上に半透明のエナメルを重ねます。

エナメルの豊かな色彩は、透明なエナメルに様々な酸化物を配合する事で得られます。これを金属板(通常は金)の表面に羽ペンや細い筆を使って塗っていきます。そして熱処理にかけるのですが、望んだ色彩を得るにはこの工程を何度も繰り返さなければなりません。

高級時計に用いられるエナメル技法で、代表的なものは以下の3つです。


クロワゾネ:
まず髪の毛ほどの細い金線でモチーフの輪郭を作ります。これをセルと言い、その中を何層にも分けて少しずつエナメルで埋めていきます。この作業は最高で60回にも及ぶ事があり、またそれぞれの色彩が溶解する温度が異なるために12回から15回ほどの熱処理を経る必要があります。


シャンルベ: まずエングレーバーが金属板にモチーフを彫ります。そしてエナメル職人が彫られた部分をエナメルで埋めていきます。この作業は1色毎に行われ、それぞれ熱処理にかけられます。


ペインティング・エナメル: この技法は1620年から1630年頃に登場したもので、油彩画と密接な関係があり、金属板の両面にエナメルを焼き付けたものの表面に細密画家が絵を描いていきます。細かなパウダー状のエナメルを油性の調合材と混ぜて色彩を調整し、これを塗って熱処理にかける、と言う作業が何度も繰り返し行われます。最も淡い色の作業は、通常最後に行われます。しかしこの最終段階で熱処理の加減を誤ると、それまでの全ての作業が消し飛んでしまいます。


エナメル職人の仕事が成功したかどうかは、この様な長い作業の最終段階まで分かりません。炉の中から取り出した真っ赤に焼けた作品が、徐々に冷めて黒ずんでいきます。そしてそこから、あの奇跡とも言えるエナメルの色彩が姿を現すのです。


エナメル製作画像 (仏語のみ)

エナメル職人

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